錦織選手に学ぶ、基礎練習について

 こんにちは。

 名古屋にある子供向けの音楽教室、徳川ミュージックアカデミー ドラム講師の伊藤明生です。

 

 まだまだ記憶に新しいトピックですが、テニスの錦織圭選手が全米オープンで準優勝という快挙をなしとげました!久しぶりに、日本にも明るい話題がやってきた感じがしますね♪

 徳川ミュージックアカデミーのサックス講師を勤める山口Keiさんも、来月からテニススクールに通うらしく、さっそくミーハーぶりを発揮しています。笑

 

 本人曰く、今回の話題とは関係ないと言っていますが(^_^)

 今回の功績の要因として上げられるのは、もちろん錦織選手自身の並々ならぬ努力の賜物以外ないと思いますが、それを影で支えた、マイケル・チャンコーチの影響も大きいとメディアで取り上げられています。

 私は、今回のマイケル・チャンさんの指導法や考えについて、記事などを読んで「なるほどな〜」と感じました。チャンさんがコーチに就任してからは、一にも二にも基礎練習で、フォームなども細部に渡って改善させたとのことです。

 とにかく、基本的な練習内容を毎日反復して行っていたようです。

 

 ある記事ではこのように書かれていました。

 

まるで、高校の部活のような練習風景

 

 もちろん、錦織選手のような一流のプレイヤーに、そのようなことをするのは異例のようです。でもチャンさんにはちゃんとした勝算があり、これをやればもっと上の世界へ行けるという自信があったのだと思います。

 

 私は楽器に関しても、同じだと思っていて、本当に上手くなりたいと思ったら、普段の練習の中身としては、やはり同じように基礎の練習が最も大事だと思います。

 基礎練習ときくと、なんだか苦痛なイメージがありますが、それは、基礎練習というものが、長い時間延々とやらないといけないイメージが先行しているからだけであって、大事なのは量より質です。

 錦織選手が短期間でこれほどまで成果を上げたように、短い時間でも、しっかりと意識をもって集中してやることで、確実に実力はついてくると思います。

 とはいっても、錦織選手と同じ尺度では図れませんが…^_^

 

 ここで大事なポイントとなることは、「基礎練習は楽器の上達をするうえで、とても重要」だということ。

 ただし、基礎練習そのものの意図がわからないままやみくもに練習をしても、途中で飽きてしまう確率が高くなってしまいます。

 

 では、基礎練習を楽しくやるにはどうすればいいのでしょうか?

 

 まずひとつの方法として、ゲーム感覚にすることだと思います。一つ例えてみると、パズルゲームの「テトリス」はみなさんもご存知かと思います。

 あれは【ブロックを積み上げて横一列が揃うと、ブロックが消える】という、とても単純明快なパズルゲームです。仕組みとしてはとても単純で、積み上げたものを消すという、パズルの基礎練習のようなものです。

 そんなテトリスが、なぜあんなにも多くの人々を夢中にさせるかというと、人と点数を競ったり、上部まで積み上がるとゲームオーバーになってしまう、などのゲーム性があるからだと思います。

 

 リズム系のゲームでいえば、「太鼓の達人」などがいい例です。あれは単純なリズムを叩いているだけなのに、なぜあんなに楽しいかというと、身近な曲に合わせて叩くからだと思います。 しかも出てくるのが音符ではないので、音符が読めない人にもわかりやすい!

 私はドラムのレッスンの中で、太鼓の達人風に、曲に合わせながらリズムの練習をしたりしますが、これも基礎練習をゲーム感覚で楽しんで練習してもらうために考えた方法です。

 ここで大事なポイントとなることは、「退屈な練習から、どうやってゲーム的な要素を加えて楽しくやれるか」ということ。

 

 音楽教室であれば、先生達が考えるべきポイントだし、生徒さんも自宅で練習をするときに、どうすれば飽きずに練習を続けられるかを、自分なりに考えてみると良いと思います。

 

 あの有名なジャズピアニストの松永貴志さんは、小学6年生の時に独学でピアノを始めたようですが、ハノンのような教材を(ハノンはやったことがないようですが)右手、左手、それぞれ別のテンポで弾いたりと、練習がマンネリ化しないように工夫したそうです。

 そのおかげで、夢中になるほど練習をして、ピアノを始めて数ヶ月で、すでに人前で演奏できるレベルまでになっていたようです(^_^)

 

まとめると、

 

 基礎練習は大事だけど、それをどうやって練習するかがポイントで、錦織選手のように「もっと技術を身につけてグランドスラムで優勝する!」という明確な目標があるときは、ストイックな練習でもモチベーションを維持することができると思います。

 ましてやプロ選手ですので、モチベーションのコントロールもできるかと思います。

 

 ただ、そこまで明確な目標がない場合は、いかにして練習を楽しみながらモチベーションを維持できるかが重要になってきます。

 そこでオススメなのが前述したようなゲーム的な要素を加えていくことです♪そもそも音楽の場合は、「音を奏でる」こと自体がゲームのような感覚でもあるので、楽器そのものが楽しいはずですが^_^

 

 練習は、自分なりの楽しみ方を見つけて習慣化してしまえば、決して苦痛なことではないはずです。ぜひ練習嫌いな方もチャレンジしてみて下さい♪

 

では最後に、おまけの動画です。

 これは、錦織選手とマイケル・チャンさんが2011年東日本大震災の復興支援チャリティーの時に対戦し、その時の対談動画です。(なので、コーチとして就任する前の会話です)

 

 練習とは少し趣旨が違いますが、チャンさんが、試合に挑むときの考え方や心構えなど、とても為になるメッセージを残しています。